オリジナルデニム生地の開発は、私が実際にデッドストックから穿き込んだヴィンテージ・リーバイスを研究しながら進めています。
参考にするヴィンテージは2本。
- LEVI’S(リーバイス)501XX(1963年頃製造)
- LEVI’S(リーバイス)502XX(1953年頃製造)をリサイズしたもの
※502XXは、501XXのビッグサイズに付けられた品番です。
私には、ヴィンテージをデッドストックから穿いた経験、大量のレプリカ系ジーンズを穿いた経験があります。
ダブルボランチ國吉さんには、多種多様なデニムを縫ってきた経験があります。
表面的な知識だけではなく、こうした私達の経験をデニム生地作りに生かせればと思います。
それでは、ざっくりと、どんなアプローチでオリジナルのデニム生地を作っているのかご紹介します。
501XX(1963年頃製造)の研究
私がデッドストックから穿いたLEVI’S 501XXの生地の特徴を調べます。
色味、縦落ち感、穿き心地、硬さ、綾目、耳、色落ちスピードなどなど。
<参照>
http://www.denimba.com/2009/01/16/469
502XX(1953年頃製造)の研究
私がデッドストックから穿いたLEVI’S 502XX(リサイズ)の生地の特徴を調べます。
色味、縦落ち感、穿き心地、硬さ、綾目、耳、色落ちスピードなどなど。
この502XXは、リサイズしたので余り生地があります。デッドのXX生地なのでとても貴重ですよね。
これを後述の”検証”で有効活用しています。
<参照>
501XXと502XXの比較・研究
501XXは1963年頃製造、502XXは1953年頃製造です。
約10年ほど間があいて、生地がどのように変わったのか検証してみます。
また、502XXよりも更に古い1940年代のジーンズも引き合いに出して、理解を深めます。
501XX・502XXとレプリカ系ジーンズの比較・研究
私が今まで穿き込んできたレプリカ系ジーンズと比べる事で、ヴィンテージデニムの特徴を分かりやすくします。
以下のページにあるようなジーンズの中から、生地に特徴のあるものをピックアップしてご紹介する予定です。
http://www.denimba.com/2015/04/27/17774
作りたいデニムのイメージ固め
以上の様な過程を経て、作りたいデニムのイメージを固めていきました。
オンスは○○位、縦落ち感は○○、表面のザラ感は○○、硬さは○○、色味は○○、色落ちは○○・・・。
それなら、タテ糸は△△、ヨコ糸は△△、織りは△△、色出しは△△。
書き出すとシンプルなようですが、この△△部分には、沢山のこだわりやノウハウが詰まっています。
ヴィンテージをかなり意識していますが、完コピは目指しません。
コピーするなら、最初から、ヴィンテージの糸やら織りやら染めを科学的に解析して再現すればいいので。
あくまで、自分たちの考えや好みを乗せる事で、オリジナルのデニムになると考えます。
検証
色々試してきました。やれる事があったらやってみるのが一番です。
洗濯実験、、試し織り、糸作り、染め加工、ジーンズにしての穿き込み・・・。
色味と、色の落ち具合を確認したくて作って穿いたジーンズ。
3生地で作ったジーンズの穿き込み。一つはデッドのXX生地です。
いい糸を見つけました。そのまま使いませんが。
XXのデッド生地と試し織りした生地の洗濯比較。
特注糸。
耳の色糸選定。
洗ったり。
凄くXXに近い生地。
キバタ時の色味調整
本番織り
研究は尽きないので、とにかく作ってみる事にしました。いざ本番です!
14オンスに届くか届かないか位のデニム生地に仕上がる見込みです。
現場の方が、「やってみないと、どこまでできるか分からないよ」という事もあるので、トラブルなく織り上がるのを祈るのみです。
Sさん、頼みますよ!
全プロセスを解説するまえに、オリジナルのデニム生地が織り上がるはずです。